【初心者OK】テニスダブルスの勝ち方がわかるたった3つの戦略と6つの戦術【男子・女子・ミックス】


テニスのダブルスって楽しいですよね!でも覚えることがいっぱいあって難しいのも事実。今回は15年間毎週色々コーチにレッスンで叩き込まれてきた僕が、「初心者のころにこれを知っていたら楽だったのにな」という勝ち方のポイントをたった3つの戦略に絞り、それぞれ前衛、後衛に回ったときに戦術的に何を意識しながらプレーすればいいのかをまとめてみました。

初心者のうちはポイントをうまく取りたいのだけど、ボールを追いかけるだけでも精一杯でダブルスの戦術や戦略を考えている余裕はなかなかないですよね。

僕もはじめの頃はテニスに関するブログや DVD (今だとYoutube動画)、雑誌・書籍本などを見て勉強しました。ところが戦術パターンなど覚えることが多すぎて、実際試合になると技術が伴わないので、あたふたしてミスをしてしまうばかりでした。
そんな中、いつもコーチに注意されることを整理してみたところ、結局シンプルなことをしっかりやれればポイントに繋がるということを理解しました。




以下に示すようにたった3つのことだけをプレー中に思い出せばよいので、初心者でもプレーに集中しながら慌てずに意識できます。また、「ここができなかったな」と振り返りやすいので、今後練習の課題としてレベルアップにつながるように活用できるのではないかと思います。

ダブルスで勝つためには「自分の役割」「真ん中」「縦の動き」の3つを意識しろ

テニスのダブルスで勝つためにはそれほど難しく考える必要はありません。実際、ポイントをとる方法は2種類しかありません。相手が取れない打球をこちらが打つか、相手がミスをするか。この2つです。とても単純なのですが、実際は様々な戦略や駆け引き、チームプレーなどが複雑に絡み合いながらポイントは展開していきます。

かといって、いきなり色々なパターンを取り入れようとすると頭がついて行かずに逆効果になります。複雑な戦術やコンビプレーなどは余裕が出てきたら段階的に増やして行けばいいので、初心者のうちは極力シンプルな考え方でポイントを作る仕組みを確立するのが重要になります。まずはこれからご紹介する3つのポイントを基本として、体が覚えるまで慣れていきましょう。

1.自分の役割を意識する

最初に意識しておく戦略は「自分の役割」です。ダブルスでは男子・女子・ミックスダブルスを問わず、原則として前衛と後衛の役割が明確に決まっています。

前衛は点を取るのが役割です。アグレッシブに攻撃をし、ポーチに出るなどをしてポイントを決めるのが仕事です。

逆に後衛は前衛がポイントを決めやすいようにコートを広くカバーし、ボールを繋げながら、お膳立てをするのが仕事です。前衛のアッタクゾーンであるサービスボックスの外はほぼ後衛がカバーするつもりでいましょう。

パートナー間でこの役割をしっかり意識しておくことで、ポイント中に意思の疎通がうまくでき、二人の連携ミスなど回避できるはずのミスを減らすことができます。

  • 前衛の戦術
    • ポーチかボレーで絶対に点を取る
  • 後衛の戦術
    • コートを広くカバーし、ボールを繋げながら、前衛のお膳立てをする

2. 真ん中を意識する (センターセオリー)

2番目に意識するのは「真ん中」です。いわゆるセンターセオリーと呼ばれるものを想像していただければいいのですが、なるべくコートの真ん中にボールを集めることを意識しながらプレーをします。

前述の通り、ダブルスでは前衛がポイントを取る役割です。前衛はポーチやボレーなどでポイントをとることが主体となりますので、チャンスボールが来たらまずポイントを一番決めやすい相手の前衛の足元を狙います。これがベストなのですが、難しい場合は、次点でコートの真ん中を狙います。これは相手の前衛が反応しづらいのと同時に、相手の後衛との間を抜いてポイントを狙えるからです。

一方、後衛はポイントを作る立場なので、味方の前衛のなるべく攻撃のしやすいところにボールを集めることに集中します。コートの真ん中を軸にクロスラリーを展開していると、打球の打角(打てるコース)をあまり広がることなく、抑えられます。少しでも浮いたら前衛が叩けるセンター付近の位置にボールが上がる可能性が高くなるのでチャンスにつなげやすいです。逆に不用意にワイドに展開してしまうと戻ってくる打角が広がってしまい、相手の打球の選択肢が増えてしまうので、リスクが高まります。同様にサーブを打つ際も相手のボディーから真ん中に集めた方が甘いリターンが戻ってくる確率が上がります。

  • 前衛の戦術
    • 相手前衛の足元にいけなかったら中央を狙ってボレー
  • 後衛の戦術
    • センターのコースを意識してボールをつなげる。ワイドへの展開はリスクが高い。サーブも同様。とにかく相手のリターンの軌道角度を狭める

3. 縦の動きを意識する

最後に3つ目の戦略である「縦の動き」を解説します。いわゆるポジショニングと言われるものなのです。我々はボールに目を奪われてしまうと、左右の動きは体がついていくのですが、縦(前後)の動きをついつい忘れがちです。自分とボール、パートナーとの距離感を常に意識しながら2人で一体となりコートの中を動くのが理想です。

前衛は味方の後衛からの展開を確認しながら、ネットにつめて攻撃体勢を作るか、少し下がって相手の攻撃に対応するポジションどりをします。つまり状況に合わせて前に行ったりサービスライン付近まで下がったり、かなり忙しい動きになります。

後衛に関しては、サーブ時はもちろん、リターンの時も、なるべく早く雁行陣から並行陣に持っていくのが役割です。ダブルスでは先に並行陣の陣形を敷いた方がポイントの主導権を握りやすく、得点する可能性が高いです。これは相手との距離を積めることで打球のペースが早くなり、相手にプレッシャーを与えることができるからです。並行陣を敷く時に注意する点としては、味方前衛の後ろのスペースです。相手からロブが上がって来やすい位置ですので、並行陣に上がっても、戻ってロブケアができる体勢と距離感は常に確認しておきましょう。

  • 前衛の戦術
    • ボールに合わせて前後にポジション取りをする
  • 後衛の戦術
    • なるべく早く並行陣の展開に持っていくが、ロブケアで戻れる位置をキープ

今回のまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「自分の役割」「真ん中」と「縦の動き」3つの戦略をそれぞれ前衛の時と後衛の時に分けて解説しました。合計でも6つのことを覚えていれば良いので、比較的簡単に普段のプレーにも展開できるのではないでしょうか。覚えることが少ないのでポイントに集中でき、ミスも減ると思います。またこれらの内容をパートナーと事前に共有して、お互い理解しておくとスムーズに適用できると思います。
まずは一つの戦略でもいいので、実戦で使ってみてください。きっと有用性がお分かりになると思います。

次のステップにつなげるには

今回の3つの戦略を覚えておくと、初心者でも多くのことを意識しないでもポイントを取れるようになります。また、うまくいかない時の課題もわかりやすいので、練習の目標設定が明確になり、練習のテーマが絞りやすいというメリットもあります。

一通りこれらの戦術をこなせるようになったら少しづつ複雑なプレーのパターンやショットのバリエーションを増やしていくことでプレーに厚みを持たせ、格上の相手とも渡り合えるダブルスにアップグレードできると思います。

ステップアップには僕も以前に教わり、ダブルスが格段に上手くなった杉山貴子コーチの以下の本がおすすめです。図解で解説されているので、わかりやすくためになります。



是非ご参考にされてみてください。


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